【4】通貨分散
■相関係数とは
様々な通貨ペアの値動きを追っていくと、同じように動く通貨ペアがあったり、まるっきり逆に動く通貨ペアがあったりします。
同じように動く通貨ペア同士の値動きを、『相関がある』といいます。
違う動きをするものを『相関がない』『逆の相関がある』といいます。
相関係数とは、このような相関関係を数値化して、比較できるようにしたもののことです。
1.00〜-1.00で表されます。
| 相関関係 | 相関係数 | 説明 |
| 正の相関(順相関) | 0〜1.00 | 1.00に近いほど、正相関が高い(同じ動きをする) |
| 無相関 | 0 | まったく無関係な動きをする |
| 負の相関(逆相関) | 0〜-1.00 | -1.00に近いほど、負相関が高い(逆の動きをする) |
■相関関係一覧表
検証期間2003年10月17日〜2008年10月16日
| 通貨ペア | USD/JPY | EUR/JPY | GBP/JPY | NZD/JPY | AUD/JPY | CHF/JPY | ZAR/JPY | USD/CAD | CAD/CHF | EUR/USD | EUR/GBP |
| USD/JPY | 1.00 | 0.312 | 0.726 | 0.487 | 0.397 | 0.25 | 0.455 | -0.161 | 0.693 | -0.307 | -0.515 |
| EUR/JPY | 0.312 | 1.00 | 0.771 | 0.776 | 0.949 | 0.981 | -0.382 | -0.874 | 0.562 | 0.807 | 0.476 |
| GBP/JPY | 0.726 | 0.771 | 1.00 | 0.802 | 0.794 | 0.708 | 0.101 | -0.558 | 0.658 | 0.313 | -0.191 |
| NZD/JPY | 0.487 | 0.776 | 0.802 | 1.00 | 0.875 | 0.726 | 0.012 | -0.665 | 0.617 | 0.472 | 0.085 |
| AUD/JPY | 0.397 | 0.949 | 0.794 | 0.875 | 1.00 | 0.905 | -0.255 | -0.843 | 0.652 | 0.703 | 0.359 |
| CHF/JPY | 0.25 | 0.981 | 0.708 | 0.726 | 0.905 | 1.00 | -0.408 | -0.879 | 0.501 | 0.831 | 0.535 |
| ZAR/JPY | 0.455 | -0.382 | 0.101 | 0.012 | -0.255 | -0.408 | 1.00 | 0.367 | 0.165 | -0.67 | -0.738 |
| USD/CAD | -0.161 | -0.874 | -0.558 | -0.665 | -0.843 | -0.879 | 0.367 | 1.00 | -0.702 | -0.781 | -0.575 |
| CAD/CHF | 0.693 | 0.562 | 0.658 | 0.617 | 0.652 | 0.501 | 0.165 | -0.702 | 1.00 | 0.137 | -0.042 |
| EUR/USD | -0.307 | 0.807 | 0.313 | 0.472 | 0.703 | 0.831 | -0.67 | -0.781 | 0.137 | 1.00 | 0.808 |
| EUR/GBP | -0.515 | 0.476 | -0.191 | 0.085 | 0.359 | 0.535 | -0.738 | -0.575 | -0.042 | 0.808 | 1.00 |
こんな感じで、それぞれの通貨ペアには、相関関係があります。
そして、これは、固定された関係ではありません。時間が経過するにつれ、変化していきます。今まで負相関が強い関係であっても、6ヵ月後に計算したら、正相関になっていた、なんてこともありえます。
■相関係数の計算方法
エクセル関数の CORREL を使います。
計算結果を表示したいセルに、
=CORREL(A2:A1250,B2:B1250)
といれます。
ただし、( )の中は、適当に入れてあるので、あなたが、実際にデータを貼り付けたセルの範囲を入れます。
米ドル/円と豪ドル/円の相関係数を計算したいときを例に説明します。
A列には、米ドル/円。B列には豪ドル/円のデータを貼り付けます。
A2〜A1250まで、ずらっとデータ(米ドル/円の1日の終値)を貼り付けたとします。
同じくB列にも、豪ドル/円のデータを貼り付けます。
A1のセルに、=CORREL(A2:A1250,B2:B1250)を入れれば、相関係数が計算されます。
ちなみに 為替レートのデータは、
Infoseekマネー>為替>時系列
http://money.www.infoseek.co.jp/MnForex/fxlast/
から、取得できます。ただし、データが取れる通貨ペアの種類は、多くありません。
OANDA.com(http://www.oanda.com/convert/fxhistory)では、豊富な通貨ペアのデータが取れます。
ただし、英語サイトです。
さらに取得データは一度「メモ帳」へコピーし、そのファイル名を「.csv」に変更する必要があります。変更した「.csv」を開くと、エクセルにデータが表示された状態で見ることができます。
というように、面倒なので、OANDA.comを利用したい方は
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をご覧下さい。HV、相関係数、VaRなど、エクセルを使った計算方法が詳しく載っています。
■ポートフォリオとは
ポートフォリオとは、分散投資した資産の組合せのことです。
このページでは、複数の通貨ペアの組合せの意味で使います。
先ほどの相関係数から、負相関がある複数の通貨ペアを選びましょう。
それにより、あなたのポートフォリオは、為替変動に動じないようになります。
つまりロスカットされにくくなるわけです。
その反面、為替差益を得ることは難しくなります。
これは、スワップ金利益を稼ぐことのみを考えた資産運用になります。
たとえば、ZAR/JPY(南アフリカランド/円)はスワップ金利が高いことで、スワップ派に人気があります。
これと、逆相関がある通貨ペアは、EUR/JPY(-0.382)、AUD/JPY(-0.255)、CHF/JPY(-0.408)、EUR/USD(-0.67)、EUR/GBP(-0.738)が挙げられます。スワップ金利(目安)も載せて表にしました。
| 通貨ペア | 相関係数 | スワップ金利(円) ※買いポジ、1万通貨単位 |
為替レート ※2008.10月中旬 |
為替レートを1通貨=100円 に換算した時のスワップ金利 |
| ZAR/JPY | 1.00 | 42 | 10 | 420 |
| EUR/JPY | -0.382 | 161 | 136 | 118 |
| AUD/JPY | -0.255 | 188 | 70 | 268 |
| CHF/JPY | -0.408 | 64 | 89 | 71 |
| EUR/USD | -0.67 | 92 | 1.3400 | 68 |
| EUR/GBP | -0.738 | -46 | 0.7700 | -34 |
さて、この表を見ただけでも、通貨分散のイメージが広がります。
ZAR/JPYとAUD/JPYには、逆相関があり、しかもスワップ金利が増える…、これは、すごいことになるのでは?
と考えるでしょう。
もう少し、詳しく次のページ(5.複数通貨ペアのボラティリティ)で説明していきます。
【0】概要と意義
【1】運用方法の基本
【2】FX口座比較と初心者の始め方
【3】通貨ペアと各通貨
【4】通貨分散
【5】経済の基本原則
【6】資産運用としてのFX(外国為替証拠金取引)
【7】想定外の対応
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