【4】通貨分散
■VaR(バリュー・アット・リスク)とは
VaRは、予想される最大損失額を表すリスク管理指標です。
■VaRの考え方
たとえば、米ドル/円の2003年10月15日〜2008年10月14日の5年間のヒストリカル・ボラティリティ(HV)を計算すると、7.27%なります。
HV=7.27%
これは、標準偏差1(1.00σ)です。信頼区間は68.26%。これらを表にまとめておきましょう。
| 標準偏差 | HV(±) | 信頼区間 | 逸脱確率 |
| 1.00σ(シグマ) | 7.27% | 68.26% | 31.74% |
| 2.00σ | 14.54% | 95.44% | 4.56% |
| 2.33σ | 16.93% | 99.00% | 1.00% |
| 3.00σ | 21.81% | 99.73% | 0.27% |
さて、HVと信頼区間を使って、1ドル=100円のとき、今後1年間のレートは100円±7.27%に収まる確立が68.26%と予測する事ができます。
1年間の取引日数は250日と考えます。つまり250日分の為替レートがあるわけです。
250日×68.26%=170.65日。
よって、250日分の170日が、100円±7.27%のレートであるということです。
そこで、これを逆に考えてみます。
1年間に、100円±7.27%を逸脱するレートが、31.74%(100%−68.26%)存在するということ。逸脱する確率は31.74%です。
ただし、HVは、±です。
マイナスに動くことが、問題なので、逸脱確率を半分にします。
31.74%÷2=15.87%
15.87%は、自分の都合の悪い方に逸脱する、ということです。
これが、VaRの基本的な考え方になります。
これに利回り(年率)を加えて計算すると、損失額が求められます。それがVaRです。
■VaR計算方法
エクセルの関数では、NORMINV を使います。用意するデータは、「1−信頼区間、金利、HV」。
1−信頼区間というのは、信頼区間が2σの場合、95.44%だから、0.9544。1−0.9544=0.0456 となります。
金利は、年率です。9.5%だったら、9.5。
HVは、ヒストリカル・ボラティリティのことです。1−信頼区間を求めた時に、2σで考えたので今回も、同じ2σのHVになります。14.54%だったら、14.54。
たとえば、NZD/円のVaRを計算してみましょう。
NZD/円のHVが11.27%、利回り10.0%の時、信頼区間95.44%で計算すると、VaRは、
-8.63%。
VaRは、「-」で表します。
そして、信頼区間が95.44%なので、『VaR(95%)』と表記します。
また、VaRは、『VaR(99%)』もよく使用されます。2.33σで計算しますが、信頼区間が99%で、逸脱確率がちょうど1%になるからです。
■VaRで損失額を計算
VaRは、レバレッジ1倍での損失額を表します。
さきのNZD/円の例を使って説明します。
1NZD=60円のとき、レバレッジ1倍で、1万通貨、買うには、60万円必要です。
VaR(95%) -8.63%
60万円×8.63%=5.178万円
5.178万円が、予想損失額になります。
1年後、この損失額を出す確率は 2.28%(4.56%の半分)となります。
VaRは、利回りも計算に入れているので、為替レートの予測にはそのまま利用できません。
VaR(95%)を使って計算すると、1NZD=60円のとき、60×8.63%=5.178。60−5.178=54.822。
HV(95%)を使って計算すると、HV(95%)22.54%、60×22.54%=13.524。60−13.524=46.476。
このように違いが発生します。
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